11月の園だより

　見上げた空は高く、いわし雲のいわしたちも気持ちよさそうに泳ぎ、空はすっかり秋模様です。肌寒い気温に園庭の木々も葉を落とし始め、園庭でもスモックを着る子が増え、スモックの水色が園庭を縦横無尽に動き回る姿に、幼稚園らしさ全開の可愛い園庭です。

　先日は良いお天気の中運動会を無事に終える事ができ、みなさまの熱い声援とご協力、本当にありがとうございました。暑くもなく寒くもない本当に気持ちの良い運動会でしたね。今年は小運動会が無かったので、年少さんにとっては生まれて初めての大きな行事。練習が始まった当初は、隣の子とニコニコしながら走っていたかけっこも、ある日を境に「１番になりたい！」の気持ちが芽生え、みるみる速くなったみんなです。意識が変わっただけで、持っている能力がどんどん表に出て、そんな自分に子ども達も「なんか僕(私)どんどんすごく(速く)なっている！」と嬉しそう。さらにそんな子ども達を見ている先生たちも嬉しそうで、「勝つぞ～！」の中にも嬉しそうで楽しそうな空気が沢山な運動会でしたね。もちろん年中・長さんも、お遊戯も競技も真剣そのものの顔つきに、会場にいた大人達全員の胸が熱くなった事と思います。幼稚園の運動会はどの子もみんな一生懸命。なので本当に楽しい！園児たちはもちろん小さい子から大人まで、学年関係なく全員で楽しめた、本当にいい一日でしたね。

　また10月楽しかった事のもう一つはお芋掘り。今年はどの日も延期する事なく予定の日に行う事ができ、みんなわっせわっせと大きな袋いっぱいに、沢山のお芋をお家に持って帰った事と思います。お芋掘りの話をした時から、その日が来るのをず～～っと楽しみに待っていたみんな。初めての年少さんは、行く前まで「お芋掘りってどんなかな？」で頭がいっぱいでしたが、掘り終わり帰ってきたみんなの顔はどの子もピカピカの笑顔。「重くて疲れた～」と嬉しそうに言っていて「手伝うよ」の声にも「いい！大丈夫！」とお断り(笑)最後まで自分のお芋は自分で運びたいくらい、嬉しく楽しい行事だったようですよ。

　さて日本の絵本や児童文学(ミッフィー(うさこちゃん)やピーターラビット、プーさんなど)の翻訳において、礎を築いた石井桃子さんの有名な言葉でこんな言葉があります。

「子どもたちよ　子ども時代を　しっかりと　楽しんでください。おとなになってから　老人になってから　あなたを支えてくれるのは　子ども時代の『あなた』です。」

というものです。まさに私たち幼稚園の役目はこれに限ります。これから続く長い人生の幼児期こそ、めいいっぱい楽しく幸せに過ごしてほしい。幼稚園でのお泊り保育も運動会もお芋掘りも、これから行く遠足も、毎日のなんてことない、ただただ普通の友達との楽しい悲しい嬉しいあれこれも、これがみんなのこれからの人生の糧になります。全部がみんなの体と心を作り、大人になってから、老人になってからの自分を支えてくれるのです。それはとても大切な部分です。そして私たち大人はその環境を全身全霊をかけて保証しなくてはなりません。

　荏田南幼稚園に見学に来た方達からよく聞くのが「色々な幼稚園を見学しましたが、ここの子ども達はピカピカ輝いて見えます。本当に楽しそう」と言う言葉です。確かに園庭を眺めていると、どの子も好きな遊びを遊び尽くしていて、いい表情の子達ばかりです。保育室での活動も、新しい発見に目を丸くしたり、一点集中の真剣な顔だったり、表情がくるくるとよく変わり、心が豊かに動いている事がよくわかります。そして実はここにいるお母さん達も、同じく心が豊かな方ばかり。子ども達のピカピカをキャッチできると言う事は、それを大事に思う、心が豊かなお母さんと言う事なのです。そんなお母さんに大事に育てられているからこそ子ども達も安心して、この子ども時代をしっかりと楽しむことが出来ているのでしょう。どの行事も、そして毎日の色々もこんなに楽しそうな子ども達なら、大人になっても老人になってもきっと大丈夫。幼児期と子ども時代の楽しい思い出と一緒に、たくましく自分の足で歩いて行ける大人になって欲しいと、行事のたびに願う私たちです。

　さて運動会が終わったばかりの園庭は、遊びの時間になると運動会の曲が流れ、今度は運動会ごっこの始まりです。他の学年の踊りを楽しんだり、綱引きまねっこをする年中さんなど、自分がやりたかった運動会を楽しんでいるみんなです。そんな子ども達を、目を細め眺めている先生たちの頭の中は、実は既に12月の発表会の事でいっぱい。と言う訳で11月の中頃からいよいよ発表会に向けて動き出します。発表会は音楽的な表現になります。音楽が好きな子にとっては「待ってました！」の発表会。その他の子にとっても、新しい自分の大好きとの出会いがありますように！それでは今月も元気に来てくださいね！