8月の園だより

　いつもより涼しく雨ばかりの今年の夏。部屋はジメジメ洗濯物も…と、大人達はどんよりした気持ちになってしまいます。それでも遊歩道を歩いていると、そこら中にキノコが生えてきていて、少しもやもやした気持ちに、ふっと笑いを運んでくれます。子ども達も外に出られない日が続いていたにも関わらず、相変わらず元気元気。雨の日はホールで遊べるので、いつもと少し違う遊びを楽しんでいた様です。それにしてもこの長雨…。夏は一体どこへやら。いつになったら終わるのでしょう…ね。

　そして本来ならもう夏休みに入っているはずの７月終わり。でも今年はコロナの影響で７月終わり近くになっても、子ども達の笑い声が響いていた幼稚園です。先日のミニミニ発表会も、今年はなるべく密にならないように２回に分けて行いましたが、どの子も今年初めての行事にワクワクドキドキそして少し緊張！の顔つきでの参加でした。特に年少さん。入園から２か月(しかも半分は分散登園)にも関わらず、みんなの前で楽しそうに歌い発表する姿に、感心しきりの私たち。体でリズムを打ちながら歌う子、ニコニコず～っと笑顔で歌う子、大きな口で元気に歌う子、すでにその子らしさが見られ、年少さんが自分らしく幼稚園の中で過ごせている様子がよくわかる発表会でした。

　１学期のもう一つの楽しかった事と言えば、荏田南名物えのぐ遊び。この絵の具遊びの様子を見ていると学年の違いが判りなかなか面白いのです。年少さんの遊び方はというと、まずは個々で遊び始めます。自分を中心に半径30㎝くらいの世界で、殆ど一人でその中で筆をちょこちょこ動かし描いています。友達と交わるのは本当に時間が経ってから。年中さんはすぐに友達２～３人くらいで遊ぶ子、やっぱり一人で描いている子それぞれ。そしてしばらくすると5～10人くらいのグループでワイワイとなります。そして年長さん。絵の具遊びのイメージも既にバッチリの年長さんですから、始まる前から「ああしよう、こうしよう」と思いながらのスタートです。ですので始まったとたんにダイナミックな動きのみんな。園庭に広がる段ボールの上を、所狭しと大きな作品を描いたり、友だち同士で色実験や筆や紙以外の素材を楽しんだり。もちろんこの日しかできないボディペインティングも、他の学年とは比べ物にならないくらい大胆です。肌での感触も楽しみ、体全部を使った表現活動に、子ども達にとって心が解放される時間となりました。各学年の遊び方の違いはあっても、一緒なのはどの子もみんな良い表情と言う事。緊急事態宣言が出されてからの鬱々とした気持ちも、きっとこの解放感と共に吹き飛んだかもしれませんね。

　色々制限がある中での1学期スタートでしたが、毎日の生活と、ちょっとした行事を楽しむ事がちゃんと出来ました。この年齢で過ごすのは今この時しかありません。絵の具遊び同様、遊び方を見ても、子ども達の遊び方感じ方は年齢によって変わってくるのです。今この瞬間に感じる事はなるべく感じてほしい。それら一つひとつが少しずつ塊となり基となって、その子らしさになっていくのも私達は知っています。そして私達はこのコロナ禍の中「毎年やる事だからやる」と言う漠然とした考えのやり方ではなく、「どうやればできるか」を話し合いを重ねながら計画を立てています。子ども達にはいつもの姿を見せつつ、陰で大人達が沢山考え動き立ち回り「いつもの事」をやって行きたい。それが子ども達の安心と心の健康、成長に繋がるとも思っています。そしてそれを理解し協力して頂いているパパさんママさん達には、いつも本当に感謝しています。

　７月から始めた消毒ボランティアも、本当に多くの方に協力を頂きました。予想を上回る多くの方の協力に職員一同感謝申し上げます。楽しい事は子ども達に沢山味わってもらい、それを大人達みんなで保障できる環境を作る。そんな皆さんのお気持ちがとても伝わってきます。心配な気持ちに振り回される事なく、こんな感じで子ども達の笑顔を守っていきたいですね。

　と言う訳で明日からいつもより短い夏休みが始まります。今年は夏休みならでは！はなかなか体験できない夏休みになるかもしれませんが、それでも少しでも良い思い出ができる休みになるといいですね。年少さんにとっては初めての長期休み。せっかくできたリズムを崩さず、２学期初日元気なみんなに会えるのを楽しみにしていますね。お引越しにより１学期で退園するお友達は、焦ることなく新しい場所が楽しい場所になれることを願っています。それでは良い夏休みを！！