1月の園だより

あけましておめでとうございます

　12月から引き続き、あまり寒くなかった今年の冬休み。公園で遊んでいても、厚手のジャンバーなどは遊んでいるうちに「暑い暑い！」と脱ぎだし、中には「夏！？」と思うくらいの薄着の子もいたりと、暖かい日が続いた冬休みでした。これだけ暖かいので、雪国もなかなか雪が降らずに困っているとか。スキー場はもちろんですが、冬に降る雪のおかげで、それが雪解け水となって、夏の田んぼに栄養豊かな水を運ぶのだそうです。雪にこんなに大切な役目があったんですね。確かに横浜の水が隣の東京の水より何倍も安全でおいしいのは、箱根の山に降る雪が春になって雪解け水となり、私達においしい水となって運ばれるから。やっぱり雨も雪も私達や生き物にとっては、恵みの雨・雪なんですね。さぁ今年は横浜に雪は降るのかな。

　いよいよ最後の学期の3学期が始まりました。初めましての1学期、心が一つになった2学期、そして迎えた3学期です。3学期は大きな行事もなく、のんびりした学期になります。のんびりした時間の中で「あれやってみたい！」「これやってみたい！」と子ども達。一人ひとりやりたい事はそれぞれですので、早速クラスで「クラスみんなで何やる？」と、話し合いがスタートします。個々の遊びはそれぞれ遊びの時間に楽しみますが、「みんなで一緒にやりたい事」は、やっぱりみんなで話し合って決めていきます。意見が分かれる事も、まとまらない事もしばしばですが、先生達はみんなを信じているので、余計な口出しは一切しません。「どうなるかな？」と、聞き役頷き役時々アドバイス役に徹します。すると子ども達も、もうちゃんといろいろ分かり合えている仲間ですので、相手の言葉の表面だけでなく、何を思っているのか心の中まで想像しながら話をしていきます。年少さんはさすがにここまでではありませんが、でもやっぱり話をしていこうと一生懸命。まずはとにかく自分の気持ちを言葉にしてみんなに伝えてみる。そこから始まります。3～4年生きてきた中で得た言葉達を使いながら、何とか気持ちを伝えていきます。するとまたどこからか言葉が返ってくる。その言葉を聞き、自分以外の気持ちを知っていく。自分以外の気持ちがわかると、また新しい気持ちが生まれてくる。

　お正月の建築家の安藤忠雄さんのドキュメント番組の中で、ノーベル物理学賞の山中伸弥さんが出ていて、「学びに必要な事は2つあり、一つは本、もう一つは人との出会い。」とおっしゃっていました。幼児教育的にはここに「遊び」を付け加えたいところですがぐっと我慢（笑）本はもちろんですが、人との出会いも学びには大切なんですね。たしかに「こんな考えがあったのね！」や「それ面白いね～！」は、人との関わりの中で沢山感じる事ができます。年長のあるクラスでクッキングの話し合いの時の事。お芋で何を作るかがテーマでした。「芋グラタン」と言ったある男の子。最初は賛同者が誰もいなかった上「それは絶対ない！」とまで言われていたそうなのです。でもその子はすねることなく諦めないで、話し合いの中で芋グラタンの魅力を一生懸命伝えたそうです。すると最後には賛同者が5～6人までに増えたとの事。自分の持っている言葉の全てを使い、芋グラタンが魅力に感じるように、考え伝えた成果ですね。

　荏田南幼稚園の生活の全てがここに出ている様な気がします。他者の存在に感謝しながら過ごし、絵本やわらべ歌を通して日本語を大切に、そして遊びで想像力を育み、「話す」時間を大切にする。こんな感じで2～3年間過ごすうちに、いつのまにやら年長の3学期には、本当に立派な話し合いができるまでに成長できるのです。

　さぁそんな3学期がいよいよスタートです。たくさん話し合ってたくさん遊んで、ケンカして仲直りして、食べて笑って、人の中で生きていく楽しさをたっぷり味わいながら、毎日を過ごしてほしいと思っています。今のところインフルエンザも幼稚園で流行る気配はありませんが、これからが怖い季節です。こんなに楽しい３学期なのに、一年で一番短い学期。「明日楽しい事があるのに～（泣）」にならないように、健康には留意し、毎日元気に来て下さいね！