6月の園だより

5月から平成30年度入園予定のお子さまの見学を開始致しました。お電話にてご予約ください。 Tel. 045-942-0210

　このところシトシト雨の日が多く、そろそろ梅雨かしら…のお天気が続いていますね。雨が続くと私たち大人は、洗濯物は乾かないし、子ども達も家の中で、ドッタンバッタンとエネルギーを発散させるので、「ちょっとちょっと～！」と散らかるおもちゃを前にため息の嵐ですが、幼稚園の子どもたちにとっては雨の日もなんだかちょっとワクワクなんです。傘をさして雨の日散歩に出かけたり、晴れの日は履けない長靴のカポカポした歩きごごちを楽しんだり。子どもたちはどんな時も楽しみを見つける天才なのだと、子ども達の感性に雨でどんよりした気持ちになりがちな私たち大人を、笑顔に変えてくれます。また、雨は何と言っても私たちにとっても、植物・生き物にとっても、生きていく上では欠かせないもの。雨に感謝しながら、雨の日ならではの遊びを楽しみたい私たちです。

　先日の遠足、年少さんは雨のために延期になってしまいましたが、無事にみんな楽しく行くことが出来ました。年長さんはズーラシアに行きましたが、さすが年長さん。まずは行く前から動物についての下調べをたっぷりしてからの出発でした。なので、中にはいった途端、調べたことと同じだと大歓声。違うことがあると、大発見！とこれまた大歓声。そして、一人ひとり興味のある動物は違う、と言うことで、先頭の先生と最後尾の先生の間であれば、バラバラに歩き自由に見ていいよ、という感じで歩きましたが、レッサーパンダの可愛らしさに釘付けの子や、お猿の動きの一つ一つをじっくり観察する子と、楽しみ方もそれぞれだったようです。それにしても、バラバラに歩いて誰ひとりとして迷子にならないなんて、本当にさすが年長さんですね。

　さてさて、幼稚園のスロープ門の両脇が花壇になっているのですが、実はここ、春になるとディズニーランドに負けないくらいの人気スポットになっているのです。人気の理由は…（笑）ダンゴムシ。お花の後ろや石の底など、花壇のいたる所にダンゴムシがうじゃうじゃといて、それをねらって年少さんから年長さんまで、ビニール袋片手に腰をかがめて何匹も捕まえては喜んでいるのです。その様子を見ていると、ここでもやはり経験の面白さが見られます。年少さんなど、まだダンゴムシの生態がわからない子は、丸まっていく様子がおもしろくて、バンバンと叩いてしまったり、捕まえる時の力加減がわからず、思わずつぶしてしまったり…。大人としては「これでいいのだろうか…」と胸がざわざわしてしまう光景です。それでは年長さんは…？捕まえるのも丸ませるのも見事です。さらに、捕まえたダンゴムシはお部屋に持ってきて、大事なペットに変身です。生態を調べて、好きな餌を調べて、しまいには運動不足にならないようにとジャングルジムを作ってあげて（笑）

　虫を研究している方がこんな話をしていました。「子ども達が虫で遊ぶのはいたって自然な事。その中で加減がわからずに殺してしまうのも自然な事。それを通じて命を感じることが出来る。命の不思議、強さ弱さ儚さ面白さ、全て深く関わることで感じることが出来る。そして、虫は沢山の子ども達が、それらを学ぶ分だけ、数も多く生まれてくるから大丈夫」と言うお話でした。確かに大切に育てている年長さんも、かつては潰してしまったこともあるでしょう。それをふまえての今。私たちはどうしても子ども達に最終型(きれいな部分だけ)ばかり教えがちですが、過程があっての最終型。本当は体験に基づく過程が大切なんだと、そのお話で感じました。これはきっと全てにおいて通じることだと思います。子ども時代は純粋なだけに、全てを素直に自分で感じたままを吸収する時期です。この時期に体験すべき体験を、とにかく丁寧に向き合いながら体験していって欲しいと願う私たちです。