幼稚園の特色

 

ゆきぐみだより2018年12月号

 

幼稚園生活最後の発表会

運動会の熱がようやく冷めてきた10月末。「そろそろ発表会だよね?」給食中にポツリとつぶやいた一人の女の子をきっかけに「そうか!次は発表会か!」「劇なにやるの~?」と、徐々に発表会モードに切り替わってきた子どもたち。

ゆき組の劇は「雪の女王」。文庫本や絵本はあるものの、とても長く内容も難しい…。(劇用の音源は子どもたちにもわかりやすく、実際のお話が少しアレンジされているのです) どうやって内容を伝えようか悩み、ペープサートを作ることにしました。本番同様CDをかけ、それに合わせてペープサートを動かせばどこで何の役が出てくるのかも分かるし、イメージが湧くかな…と思っての試み。

そしてこれが大正解!音楽に合わせて拍手をする子がいたり、出てくる役に対して歓声があがったり、みんなの表情を見ていると、お話の中に入り込んでいるのが、よくわかりいました。ペープサートを見てすっかり「雪の女王」にファンになった子どもたち。実際に絵本を探して読んだよ~!との声も!

ここでは役決めの際のエピソードをお伝えしようと思います。
「自分のやりたい役を決める」簡単そうですが、実は難しいことで、子どもたちなりに色々な思いを巡らせて答えを出しているのです。

ある一人の男の子は「先生…俺、どの役もできないかも…」と私のところに言いに来ました。「ん?何かあった?」と聞くと、「一人でセリフ言えない気がする。緊張するし…」と。「そっかぁ~。言えなかったら周りの子が助けてくれると思うよ。それでも嫌ならセリフを短くしたり、なくすこともできるよ」と言うと、安心したようで、「じゃあとりあえずやってみる」と少し前向きになったのです。「なに役やる?」と聞くと「一人でやるのは無理だから、カイくん(主役)は嫌。あと、バラとかは女の子のほうがいいと思うからやめておく」「うんうん。じゃあ何人かで出るカラスとか雪の家来にする?」「家来って戦うじゃん?俺、戦うのはちょっと…」少しずつ役が絞られてきて「決めた!木の役にする!俺、たぶん木みたいに動かないの得意だし」いろいろ悩んで納得する答えを導き出せた男の子。とってもいい表情をしていました(^^)

もうひとりの女の子は役を決めるまでに一週間近く悩み続けました。「最後の発表会だから頑張りたいし、やりたい役がいくつかあって…」と。園でも家でもじっくり悩み答えを出しました。自分の気持ちと、時間を掛けて向き合ったこの女の子。そして決まってからは自分の役が好きなんだなと、練習を見ていて感じます。悩んだ分、思い入れも強いのでしょうね。 トナカイ役には力自慢の子たちがこぞって立候補ペープサートのあと「トナカイはゲルダちゃんを背中に乗せていくから、力持ちの子がいい!」と盛り上がっていたからだと思います。そんな中、女の子でただ一人「やりたい!」と言っていた子。残念ながらくじで外れてしまい、みんなのいないところで大号泣!!できなかったのはとっても悔しいと思うのですが、周りに流されず、自分の思いを最後まで通そうとした姿が私は大好きです

…と役決めと一言でいってもいろいろなドラマがありました。希望通りの役になれた子もいれば、そうじゃない子もいますが、練習が進んでいくとどの子も自分の役が好きになってきたようで、みんな楽しそうに参加しています。「ゆきぐみは何でもできる!」を合言葉に自分のセリフや動きを覚え、同じ役の子と協力し、そしてわからなくなってしまった子のフォローをしている皆です。当日はもちろん大成功!大満足!で終われるのが一番ですが、大舞台ということで思うように力が出せない子もいることでしょう。ですが一つの劇を作り上げるまでの子どもたちのがんばりや、思いを近くで見てきた私たちは、始まる前も終わってからも「よくやったね」という言葉しか思い浮かびません。そしてこのクラス便りを読んだお父さんお母さんも同じ気持ちになってもらえたら嬉しいです!

 

がんばれー!

エイッ!ヤァー!

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