ふゆやすみ号

　今年も残すところ後１０日程となりました。おさるさんから酉さんにバトンタッチももうそろそろですね。国民的グループの解散ももう間近…。なんとなく一つの時代の終わりを感じるのは私だけでしょうか？　幼稚園も行事が盛りだくさんの２学期が明日で終わりになります。このところの幼稚園は、発表会の余韻を楽しみつつお餅つきやクリスマス会など、季節の行事を楽しんでいます。特におもちつきは食いしんぼのみんなにはもってこいの行事。お餅４個に大人のお椀にたっぷり入った豚汁。おまけにデザートにまるごとのみかん１個。なんとこれが子どもの１人分です！お餅はお持ち帰りできるように、すでに持ち帰り用パックに入った状態でいただきます。なので、４個というのもお土産前提の数なのですが、次の日に子ども達に聞いてみたら「全部食べたよ！豚汁だってお代りしたもんね！」の声の多いこと(◎o◎)！…さすがです。やっぱりつきたてのお餅は格別のようです。豚汁も大鍋が食いしんぼさん達の手にかかれば、みるみる底が見えていったとのこと。…さすがです。豚汁には色々な種類の野菜がたっぷり入っていましたがみんな難なく完食。食べられる種類がどんどん増えていくみんな。実は食の幅が広がると興味の幅もどんどん広がっていきます。苦手な食が減って行くのと同時に物事に対しての苦手意識も軽減されていくのです。不思議ですが本当の話。やっぱり食って生きる基本だなと感じるのでした。

　さて、荏田南幼稚園は以前から申し上げているように絵本大好き！な幼稚園です。沢山ある絵本の中でも特に私たちが大切にしている絵本が何冊かあります。その中の一冊を紹介したいと思います。絵本の名前は「かんがえるかえるくん」。子どもたちも大好きな絵本なので、貸し出しの日に借りてきた子も多いと思います。どんな内容かと言いますと、1匹のかえるくんが登場するのですが、とにかくこのかえるくんが考えるのです。色々な事を考えるのです。「空はどこから空なんだろう」「ミミズの顔はどこなんだろう」「こころはどこにあるんだろう」。まだまだたくさんの事を考えます。そばに来たねずみくんは心配になります。かえるくんがぼーーっとしているように見えるからです。「どうしたの？」とねずみくんが聞いてもしばらく返事をするのも忘れてかえるくんは考え続けます。しばらくすると我に帰り、ネズミくんと一緒にやっぱり考え続けるのです。

　この絵本を子どもたちと一緒に読むと、子どもたちもやっぱりかえるくんと一緒に考えることを始めるのです。「ジャンプした空中からきっと空なんだよ」「上を見て青くなった所からが空なんじゃない？」と。この絵本には答えは出ていません。かえるくんが考えたまま終わるのです。そして読み終わっても引き続き、さっきの答えを見つけようと考え始める子がいます。はたから見ると「ぼーーっ」としているように見えるかもしれません。ぼーっとしているよう見えて考えているのです。かえるくんのように。　子ども時代こんな時間が大切なんですね。ぼーっといろいろな事を考えさせてあげて下さい。「どうしたの？」と声をかけたくなりますが「何か考え中かな」とそっとしておいてみて下さい。　今の時代テレビなどでは次から次へと情報が垂れ流しのように流れてきます。ぼーっとする時を与えないかのように。考えなくてもどんどん情報が入ってくるので、考える訓練が出来なくなってしまいます。一つの事をじっくり考えるのはとても大事です。　12月も終わりに近づきますと大掃除やら何やらで忙しい毎日になります。掃除している横でぼーっとしていると「ぼーっとしてないで、手伝ってちょうだい！」と声をかけたくなりますが、「もしかして考え中？」とそっとしてみるのも良いかもしれませんね。たくさん遊んで、たくさん不思議を見つけて、たくさん考えて、そんな風に育ってほしいですね(^^)

　さて、保育室でも今年の汚れは今年のうちに！と、めーいっぱい遊んだおもちゃたちや、自分のお道具を大切に守ってくれたロッカーに感謝しながら大掃除を終え、ピカピカ！とまではいかないもののキレイな状態で新年を迎えようとしています。もちろん年少さんも先生と一緒に大掃除を行います。去年までは大人が全部お掃除してくれた所を、今年はお子さんと一緒にやってみてはいかがですか？大人だけでやった方が早いときもありますが☆案外張り切ってやるかもしれませんよ！　それでは良いお年をお迎え下さいね。３学期元気にみんなに会えるのを楽しみにしています(^^)